今年の夏頃からずっと12月3日のコンサートのために準備してきた「Coffee Time Concert」にて出張バリスタとしてコーヒーを淹れ、簡単にコーヒーに関して講演させていただきました!

準備といっても僕は直前にコーヒーを選んで講演内容を考えるだけ。依頼してくださった方は夜中の1時や2時まで仕事帰りにも関わらず、また演者の皆さんも夜遅くまで打ち合わせされていて、1つのコンサートを運営する大変さを間近で見ていました。

 

「何事もなく、無難にコンサートを終える」

ために入念に入念な打ち合わせを行っていたのを間近で見れて僕はとても勉強になりました。

 

さて、そんなCoffee Time Concertを振り返ります!!

 

Coffee Time Concertは何の音楽コンサート??

コンサートのメインは「コーヒーカンタータ」と言う歌劇!!

伴奏者の方と、オペラ歌手のお三方が作り上げるコーヒーカンタータの劇、動画で撮ってこれを読んでいる皆さんに見せたかったのですが、動画の撮影禁止だそうで…(T ^ T)(基本的に撮影全般がダメだそう)

YouTubeで見つけましたので、よかったら見てみてください。

 

まず一番びっくりしたのはオペラ歌手の生声!!

とても響きます。耳に響く、というよりは体に響く印象でした。男性の声は遠くまで響き渡り、女性の声は繊細で美しい印象です。

 

音楽に興味ある人や趣味の方は是非一度聞いてみてほしいです!

 

僕が行った講演内容をシェアします

「講演」という名目で、コーヒーカンタータに合わせたコーヒーの話をさせていただきました!

オペラのコンサートということで参加されていらっしゃるみなさんは僕の大先輩方ばかりだったのですが、「話がとても面白いね〜」と数名の方がコンサート後に話しかけてくれてとても嬉しかったです!!

ので!調子に乗ってその内容をここでも載せておきます!(原文ママ)

是非とも読んでいただければー!!!

「コーヒーの誕生から18世紀、コーヒーカンタータが作られるまで」

みなさん初めまして、明治大学3年生でバリスタとして全国で出張バリスタをしています「KAZU」と申します。今日は僕のコーヒーを飲んでいただきありがとうございます!

簡単に今日のコーヒーについて紹介します。どんな味でしたか?多分「酸っぱい!」と思われた方が多いかもしれません(挙手してもらう)

昔のコーヒーは確かに苦かったのですが、それは日本人で初めてコーヒーを飲んだ日本人がコーヒーが酸っぱくて飲めなかったからなんですね。ただ、僕はその酸っぱさがコーヒーの個性だと思っていて、味としてはあまり好きではないのですがコーヒー豆としては好きです。

で、今日持ってきた豆は実はコーヒー豆の形が少し珍しい形をしています。

ちょっとサンプルを回しますので、みなさんみてください。(豆の入ったケースを配る。)欲しい方は持って帰っても構いません!!

みなさん、コーヒー豆ってどんな形を思い浮かべますか?きっと楕円形で、半球で、真ん中に溝が入っている形を思い浮かべるかもしれません。

その形を思い浮かべながら、今回しているコーヒー豆をみてください。

丸い形をしていませんか?この豆は「ピーベリー」と呼ばれるコーヒー豆の1つです!

コーヒーノキから3%ほどしか取れないというピーベリーは、昔は「欠点豆」として捨てられていたのですが、最近ではむしろ「稀少性がある」ということで普通のコーヒー豆よりも少し高値で取引されています。

記念に持ち帰りたい!という方がいらっしゃいましたらどうぞ蓋を開けて持ち帰っていただいて結構です!

ということで、今日のコーヒーの話はここまでにして本題に移りたいと思います。本題は「コーヒーが誕生してから18世紀のコーヒー事情」について。

まずは、みなさんに質問したいことがあります。

昔の人はどうやってコーヒーを飲んでいたと思いますか?想像してみてください。(登壇者に質問をふる)

ついさっき僕が淹れたコーヒーは「焙煎されて茶色になった豆をミルで粉々にして、紙のフィルターを通してお湯で抽出」しました。

実は、昔の人はコーヒー豆を焙煎しないまま、緑の状態で粉々に潰し、それを煮沸したお湯に入れてそのお湯を飲んでいたのです。驚きではないですか?かなり荒技です

昔はコーヒーという呼ばれ方はしなくて、「バンガム」と呼ばれていました。

で、コーヒーはアラブ世界、もっというとエチオピアやイエメンで発見されるのですが、発見されて肩のコーヒーはアラブ世界を中心に広がります。

そこでまた質問です。

なぜアラブ世界にコーヒーが広がったのでしょうか?(質問を振る)

実は、背景に「イスラム教」の存在がありました。イスラム教が信仰されていたがために、コーヒーがアラブ世界で飲まれるようになるのです。

立て続けですが、なんでイスラム教が関係していると思いますか?(会場の方に聞く)

実は昔の人って、飲み物がお酒かワインしかありませんでした。水道設備なんて整っているはずもなく、蒸留した水で作られたお酒とワインを朝っぱらから飲んでいたのですが、なんとイスラム教ではそのお酒自体が飲むことを禁止されていました。お酒を飲むことは自分を神から遠ざける「悪行」として教えられていたのです。

結果として飲まれるのがコーヒー。しかも、朝からコーヒーを飲むとなんだか活気に満ちて頭が冴え渡る。

コーヒーはアラブの人々の生活に深く侵食していきました。

16世紀半ばにはコンスタンティノープル、今のイスタンブルにて世界初のコーヒーハウスが出来上がりました。

ただ、みなさん、ここで衝撃の事実です。16世紀半ばにしてまだコーヒーはヨーロッパに浸透していません。

18世紀初めの頃にはコーヒーカンタータが歌われるのですが、その200年の間に一体何が起きたのでしょうか…

16世紀、実は大きなきっかけがあります。16世紀という時代がコーヒーをヨーロッパに浸透させる大きなきっかけだったのですが、ここでまた質問です。

16世紀はコーヒーがヨーロッパに侵食したきっかけの時代でもありました。何が盛んに行われた時代でしょうか?

正解は、大航海時代です。

ヨーロッパの人々は香辛料を求めインドを目指して旅を始めます。ヨーロッパ人がインドに向かう途中にある国がオスマン帝国=アラブ世界だったのです。アラブ世界に立ち寄ったヨーロッパ人は、彼らが飲んでいる飲み物を見て驚愕しました。

真っ黒でアツアツの液体を飲んでいるのです。(15世紀にはコーヒーは焙煎して飲まれ始めたことをいう)

しかも、試しに飲んでみると体が活気に満ちる。ヨーロッパ人はとても興味を惹かれました。

なぜなら当時のヨーロッパでも綺麗な水が常飲されているわけではなく、やはりビールやワインが朝っぱらから飲まれていました。

「ワインやビールの代わりにコーヒーが飲めたら…」

そう考えたヨーロッパ人はコーヒーに目をつけ始めます。

しかしながら、当時のコーヒーはべらぼうに高かった。とても一般人が買えるような値段ではなかったのです。

ここでまた質問です!

今や100円で飲めるコーヒーが、なぜ昔は相当の高値で取引されていたのでしょうか?

実は、コーヒーはアラブ世界の独占市場です。そもそもの生産量が少ない上に、アラブ地域(当時はイエメンとエチオピアを中心にコーヒー栽培をしていた)でしかコーヒーが作られていないのですから、ヨーロッパの人にとってコーヒーは高嶺の花でした。

しかし、1690年にヨーロッパのある国がコーヒー栽培に取り組み始めました。そのある国とはどこだと思いますか?

正解はオランダ。当時香辛料貿易でがっちり大金をつかんだオランダはその余剰金と持っている植民地を生かそうということでインドネシアでコーヒー栽培を行います。

結果的にインドネシアでのコーヒー栽培は成功し、ヨーロッパ全体にコーヒーが供給され始めました。

ちなみにそんなインドネシアは今や世界第4位のコーヒー生産国。実はコーヒー生産国のほとんどはかつて植民地だったところなのです。

さて、この時点で話は17世紀後半。もう30年後ぐらいにはコーヒーカンタータが作られています。

この30年でコーヒーカンタータがどのようにして作られたのでしょうか?? 

17世紀、すでにイギリスでは「コーヒーハウス」が街中に立ち並んでいました。当時のイギリスにおけるコーヒーハウスの役割は、今でいうYahooトップ。Yahooトップでは最新の株価やニュース、天気が知れる上に検索によって調べ物もできました。

かつてのコーヒーハウスも同じような役割を持っていて、最新の物価事情に加しいビジネスマン、天気に詳しい知識人、医者、有識者、政治家などが立ち入りしていたのがコーヒーハウス。まさに情報の最先端を行っていました。

 

ただ、これはイギリスのコーヒーハウスの話です。コーヒーカンタータが作られたのはドイツ。

もちろんドイツにもコーヒーハウスがありました。ただ、ドイツのコーヒーハウスのユニークな点としては「音楽コンサートが行われていた」ということ。さすが文化の国ドイツです。

しかし、当時のコーヒー文化には1つ明らかにおかしい点がありました。音楽コンサートを聴きながらコーヒーを飲んで談笑する。そんな理想的とも言えるコーヒーライフを満喫していたのは、なんと男性だけだったのです。

女性は特に理由もなくコーヒーを飲むことが禁止されていたのです。ヨーロッパ全体で大流行しているコーヒー、コーヒーハウスは「男性が家に帰ってこなくなった」や「仕事をしなくなった」などの事態が相次ぎ、社会問題になる程ヨーロッパの人々はコーヒーに魅了されていました。

 

そんなおかしいコーヒー文化に声をあげたのはドイツの女性詩人のピカンダー。彼女はコーヒーカンタータの作詞者でもありますが、「女性がコーヒーが飲めないのはおかしい」と文化人の間で声をあげ始めました。

その考えに共鳴したのが「バッハ」。コーヒーカンタータの作曲者です。

つまりコーヒーカンタータは、コーヒーが大流行して社会問題になる程人々がどハマりしている中、その楽しみを享受しているのは男性だけなのはおかしい!ということを劇にして風刺したものなのです。

なので、作詞中に出てくる登場人物であるリースヒュンは女性なのにコーヒーが大好きで大好きで仕方ないのです。娘であるリースヒュンが父のシュレンドリアンのいうことを一切聞かないのは、当時のヨーロッパ社会でよく見られた「コーヒーをやめない夫を叱る妻」の逆バージョン=コーヒーをやめない娘を叱る父という構図で遠回しに「女性がコーヒーを飲めないのはおかしい!」と伝えているのですね。

そんな背景があってコーヒーカンタータは作られました。

ぜひ、女性がコーヒーを飲めないのはおかしい!ことを劇で表現したコーヒーカンタータ、この後お楽しみください!

お聞きいただきありがとうございました!!

 

 

 

講演内容は以上です!もし質問などがありましたらこちらの問い合わせにいただければ今回した講演内容の枝葉の部分は少しはお答えできます。

 

 

最後に…

今回ご依頼をいただきましたKさん、そして企画してくださったTさんには大変お世話になりました。

毎度そうなのですが、僕の活動は「依頼者の支え」があってこそ成り立っているなと強く実感した出張でした。

 

僕としては、次回もっと盛り上がるようにオリジナルのコーヒーカンタータの劇をオペラでやったりと、リベンジしたい気持ちが強いです。

ただ、これまでの出張バリスタで一番大きなイベントに参加できることができてとてもよかったです。

まだまだ出張バリスタの依頼は続いていますので、これからも頑張っていきたいと思います!!

 

 

 

 

(今回の出張で一番びっくりしたのは、コンサートの後に観客の皆さんが出演者の皆さんに花束やお土産などを渡すために長蛇の列ができていたことでした。皆さん高級チョコやお土産などたくさんいただいてとてもびっくりした…     それでは!!)